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「個性化を希求する自己の抱える矛盾」:個性化を希求する自己は矛盾を抱えています。
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「主観と客観」:主観と客観とは、一つの実在の両極であり、相即不離、表裏一体の関係にあると考えられます。
「宗教的次元」:人は信仰の有無に関係なく、自己意識を超えた宗教的次元(超個的次元)に生きていることを忘れがちです。
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「ピュシス(physis)」:心理学をピュシス(physis)の観点から再構成する必要性があると考えています。
「愛・憎」:自他の関係が、ホロニカル関係に目覚める時、愛を感じることができますが、自他の差異や対立ばかりに囚われると、たちまちのうちに愛が憎しみに転じます。
「意識とは」:心理学は対象化された意識を研究するのではなく、自己と世界の不一致・一致の出あいの生々しい直接体験の実感・自覚からはじめることが大切と思われます。
「医療行為との違い」:医療行為と心理社会的支援行為は、異なる行為です。
「対話のもつ共創的創発性」:対話の中から創発性が生まれるのではないでしょうか?

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「『理念・理想』について」:理念・理想が、適切な自己の自己組織化を阻害する時があります。
「2つの心理学」:客観重視か、主観重視かで、異なる心理学が考えられます。
「主語的言語と述語的言語」:外我の言語は主語的言語であり、内我の言語は述語的言語です。
「ホロニカル体験(6)」「時間を忘れれば、「永遠の今」に生きていることに目覚めます。
「絞り込み」:曖昧な問題を、問題解決可能な具体的な問題にまで絞り込むが大切です。

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自己意識の発達

自己意識の発達 (Ver2021.4.5,定森恭司)

自己は、有(生)と無(死)がせめぎ合いながら同一に存在するような絶対無(空)という場から創造され、かつ絶対無(空)という場に包まれています。 自己は、誕生以来、有(生)と無(死)という矛盾をはらんだ存在として場から創造されたといえるのです。しかも自己は、すべての生成消滅の源である絶対無から創造された世界と本来ホロニカル関係(縁起的包摂関係)にあります。そうした関係にあるが故に、自己は世界と不一致となって対立しながらも、その世界を自己自身に一致させよう自己及び世界の歴史的変容を促進しようとし、世界もまた、自己を世界自身に一致させようと世界及び自己の歴史的な変容を促進しようとします。

個的存在としての自己の生死の物語には、宇宙開闢以来の壮大な大きな物語が、個の人生に映され、かつ包摂されているとホロニカル心理学では考えます。

自己とは、個人内に閉じた自己などではなく、個人内を超えた超個的な存在として歴史的に自己組織化される場所的存在と考えられるのです。

場所的自己は、場所的自己が生きる場所の無秩序や秩序などを自己自身に映し、それを包摂しながら、場所的自己自身を発達させながら、やがて場所的自己の一生を終えると考えられます。場所的存在としての自己は、場所を共にした人の記憶に残る存在として一生を終え、場所と自己を創成した場そのものに還ると考えられるのです。

自己意識の発達には、次に示すような段階があると考えられます。

第0段階(ゼロ・ポイント)
自己と世界の誕生前です。自己と世界が誕生する絶対無(空)の場です。

第1段階(混沌)
場所的自己と世界の不一致・一致の直接体験における自己と世界の関係が、まだ無境界的混沌にある段階です。混沌段階では、場所的自己と生きる場所とは、いつも共振的共鳴的に一致するとは限りません。その結果、場所的自己と場所が一致する時には、自己にとって生きる場所は「天国」そのものであり、不一致の時には、「地獄」そのものとなります。第1段階では、天国と地獄が絶え間なく繰り返されると考えられます。なお、この時の場所的自己(赤ん坊)が生きる場所とは、通常、養育者を含む養育環境を意味し、場所的自己にとっては、場所と融合したものとして体験されています。なお、場所的自己は、その記憶を身体に刻み込みます。この段階の場所的自己の意識は、前個的といえます。

第2段階(融合)
その後、場所と場所的自己が不一致・一致を繰り返す中から、場所と場所的自己の不一致時に、内的世界と外的世界が融合したままの内外融合的主体(我という個の意識の前段階)が機能的に結晶化してきます。この内外融合的主体は、場所と場所的自己の不一致時の一瞬に創発され、一瞬にして泡のように混沌世界に消融します。この時期の内外融合的主体にとっては、場所はもっぱら重要な養育者を通じて原初のホロニカル主体(理)として経験されます。原初のホロニカル主体(理)の段階では、場所と場所的自己が一致の時には、場所的自己にとって生きる場所は、「慈悲的な世界」として場所的自己によって体験され、不一致の時は、「苛烈な世界」として体験されます。原初のホロニカル主体(理)は内外融合的主体に内在化されます。なお、場所的自己は、その記憶を身体に刻み込みます。この段階の場所的自己意識は、前個的です。

第3段階(幻想)
その後、内外融合的主体は、場所と場所的自己が不一致・一致を繰り返す中から、場所的自己内に、身体的自己同一性を直覚する統合機能をもった原初の内的現実主体(内我)を結晶化させます。この時、原初の内我にとって、場所的自己と一致の快をもたらす対象は、すべて場所的自己が独占しているものという感覚をもたらします。逆に、原初の内我にとって、場所的自己と不一致の不快となるものすべては、原初の内我からは分裂・排除され、非自己化なるものとして外界に映され、幻想的なホロニカル主体(理)を内在化した外的現実主体(内外融合的外我)が形成されます。幻想的ホロニカル主体(理)の段階では、場所と場所的自己の一致は、「慈悲の世界」となって場所的自己に体験され、不一致の時は、「支配的な世界」として体験されます。なお、場所的自己は、その記憶を身体に刻み込みます。この段階の場所的自己は、前個的と個が交錯します。

第4段階(他律)
その後、内外融合的外我は、場所と場所自己が不一致・一致の繰り返しの中で、場所的自己が所属する社会の既知の理(ホロニカル主体)による物事の識別基準を積極的に取り込みながら、自己(内的世界)と非自己(外的世界)とを識別する認知能力をもった外我に脱統合されながら発達していきます。そうした外我に対して、内我は、自己と世界の不一致・一致のさまざまな直接体験を統合的に直覚する役割を担うように発達していきます。既知のホロニカル主体(理)の段階では、場所と場所的自己が一致の時には、場所的自己にとって生きる場所は、「慈悲的な世界」として体験され、不一致の時は、「批判的な世界」として体験されます。既知のホロニカル主体(理)は他律的外我に内在化されます。なお、場所的自己は、その記憶を身体にも刻み込みます。この段階の場所的自己意識は、個的です。この段階の外我と内我の不一致・一致の繰り返しは、次に示すような認知の発達段階とともに、自己意識を段階的に発達させていきます。

2歳半~3歳にかけて,大小・長短・美醜などの二次元的比較が出来るようになると、内我そのものを観察対象とする他律的外的現実主体(他律的外我)が芽生えだします。すると自己自身を他から識別して実感・自覚するようになり「私」という主語的意識が芽生えてきます。主語的主体的意識の目覚めは,第一反抗期をもたらします。しかし思考の能力は前論理的で直観的であり自己中心的です。

7~9歳位になると,具体的事物についての論理的操作ができるようになります。それに伴いそれまでの自己中心的世界の脱中心化が進み,ちょっとしたルールや他者の視点から物事を理解することができるようになります。

第5段階(自律)
その後、場所と場所自己の不一致・一致の繰り返しの中で、外我は、内我との内的対話を通じて、内的世界(自己)と外的世界(世界)の不一致・一致が、より一致する方向に自己及び世界を変えようとしていきます。それは内的対象世界においては、既知のホロニカル主体を内在化する外我と自己と世界の不一致・一致の直接体験を統合的に直覚する内我との葛藤という形で展開します。特に、言語や記号による抽象的な論理の操作能力を獲得する思春期に葛藤は先鋭化しはじめます。そうした認知能力の獲得は、外我自身がこれまで内在化していた既知のホロニカル主体(理)が,内我にとってむしろ生きづらさをもたらす場合もあることに気づくようになるためです。これまで外我によって制御されていた内我が,自己と世界の出あいの不一致・一致の直接体験を自己照合の手がかりとして自己主張しはじめたといえます。すると、次第に他律的外我は,内的現実主体と適切な対話軸をもった自律的外我に時間経過の中でゆっくりと移行していきます。そして自律的外我は、より生きやすさをもたらすような新たなホロニカル主体(理)を自ら創発するようになります。創発的ホロニカル主体(理)の段階では、場所と場所的自己が一致の時には、場所的自己にとって生きる場所は、「慈悲的な世界」として体験され、不一致の時は、「悲哀の世界」として体験されます。創発的ホロニカル主体(理)は、自律的外我に内在化されます。なお、場所的自己は、その記憶を身体にも刻み込みます。この段階の場所的自己意識は、個的と超個が交錯します。

第6段階(IT:それ)
その後、場所と場所自己の不一致・一致の繰り返しの中で、場所的自己は、場所的自己そそのものを創造した生死の場である絶対無(空)との不一致・一致の中で、場所的自己と場の一致に向かって、場所的自己を自己組織化していきます。そして、場所的自己の究極に、場所的自己は、創発的ホロニカル主体(理)を脱統合する中で、すべてを全総覧する絶対的主体である「それ(IT)」を発見します。この段階の場所的自己意識は、超個です。「それ(IT)」は「慈悲の世界」として体験されます。

※詳しくは、心理相談室こころ室長 定森恭司著の「ホロニカル・セラピー:内的世界と外的世界を共に扱う総合的アプローチ」(遠見書房,2015)、または、定森恭司・定森露子共著の「ホロニカル・アプローチ:統合的アプローチによる心理・社会的支援」(遠見書房,2019)を参照ください。

付表 自己意識の発達段階

 

ABCモデル

1 ABCモデルとは
ホロニカル・アプローチの基本モデルとしてはABCモデルがある(図1)。これは自己と世界の不一致・一致を自由無礙な立場から俯瞰することができれば,自己と世界の一致に向けた自己の自己組織化を促すことができると捉えるホロニカル・アプローチのパラダイムをわかりやすく可視化したものである。

ABCモデルでは,自己と世界の不一致(自己違和的体験)をA点,自己と世界の一致(ホロニカル体験)をB点,俯瞰(協働)をC点として,A点とB点という相矛盾するものを同一の視点であるC点から適切に観察できるようになれば,自ずとB点に向かって自己組織化していくと考える。つまり,ホロニカル・アプローチのABCモデルとは,不一致・一致の俯瞰モデルといえる。

ABCモデルでは,安全感・安心感をもたらす自己と世界の一致の直接体験に伴うホロニカル体験と,被支援者が執着している自己違和的体験との間を「行ったり・来たり」する自己自身を適切な観察主体から観察することで,自己違和的体験に伴う不快感,警戒心,恐怖感,緊張感や否定的認知の軽減または緩和を試みる。具体的には,自己違和的体験に伴う神経生理学的な興奮の鎮静化を,陽性感情を伴うホロニカル体験の想起などを促しながら図る。また,できるだけ自己違和的体験ばかりでなく,ホロニカル体験を含むさまざまな直接体験の全体を適切な観察主体から俯瞰できるようになることを促進する。
陰性感情を随伴する自己違和的体験の興奮の鎮静化は,気分の安定化をもたらすことができる。さらに,気分の安定化は,自己違和的体験への執着からの脱却を促すばかりではなく,より創造的な人生に向かう自己の自己組織化をもたらすと考えられる。

なお,ABCモデルによる支援を行うにあたっては,自己違和的体験(A点),ホロニカル体験(B点),適切な観察主体(C点)を小物や描画によって可視化して実施するとより効果的である。

自己違和的体験(陰のホロニカル的存在)とは,自己と世界が不一致となることで経験する不快感・苦痛・苦悩・陰性感情の直接体験のことである。トラウマ体験を含む自己違和的体験の累積が苦悩を形成すると考えられる。不一致の自己違和的体験があまりに度重なったり,たとえ一過性でも生死に関わるような強烈な不一致の自己違和的体験があったりすると,観察主体は視野狭窄的になって,不一致の直接体験ばかりを観察対象としがちになる。その結果,観察主体と観察対象の関係は,執着性,反復強迫性を帯び,不快な気分の高まりが,混沌とした感じを増幅していくことになるとされる。

ホロ二カル体験(陽のホロニカル的存在)とは,忘我して,自己と世界が無境界となって,すべてをあるがままに一如的に体験しているときのことであり,観察主体が無となって観察対象と「一」になったときに得られる。そのため,「得よう」という「我の意識」が少しでも働いた瞬間,ホロニカル体験は得られなくなってしまう。意図,思考しようという観察主体の意識が少しでも働いた途端,観察主体と観察対象が分断されてしまう。ホロニカル体験は,むしろ事後的に,「さっきの体験が,ホロニカル体験といわれるようなものだったのか」と頓悟することが多い。ホロニカル体験時には,「ホロニカル体験」を意識する「我」が「無」となっているため,そのまっただ中にあっては,「無我夢中」「無心」「忘我奪魂」の体験があるとしかいえない。ホロニカル体験時には,人生の些細な苦悩が,自己と世界が全一となった感覚によって包まれ,至福へと変容する。こうしたホロニカル体験の累積が,自己と世界の不一致からくる生きづらさから人を守る基盤となる。

2 ABCモデルの基本的な考え方
ある出来事やある心的対象(気分などを含む)に対して視野狭窄的になり,観察主体の意識がある観察対象ばかりに執着し,悪循環に陥ってしまうことがある。ABCモデルでいうところのA点固着状態である。一般的には,A点に固執する被支援者にあっても,自己違和的体験が軽微な場合は,被支援者の観察主体の視点はC点を維持できている。このようにC点が確立されている事例においては,傾聴をベースとした受容共感的アプローチを行えば,一時的に被支援者の観察主体がA点に呑み込まれそうになったとしても,被支援者自らがC点やB点に移動することは可能である。

しかし,被支援者の自己違和的体験が重篤な場合や,観察主体が脆弱な場合は,受容共感的アプローチだけでは不十分である。支援者が被支援者の自己違和的な体験をただひたすら受容的に傾聴し続けていると,被支援者のA点に関する語りはエンドレスになるとともに,執着心を一層強化してしまうなど,かえって逆効果になってしまう危険性すらある。そのため,こうした場合には,主客合一となるホロニカル体験(B点)や適切な観察主体のポジション(C点)への移行をサポートする必要性が出てくる。

自己と世界が一致するB点のホロニカル体験への移行の促進の仕方には,①被支援者の過去においてすでに体得しているホロニカル体験の想起と増幅・拡充を図る方法,②面接の場という「今・ここ」における被支援者のホロニカル体験の体得を促す方法の2つの方法がある。

A点に執着的になることがあるとしても,適切な観察主体(C点)をある程度確立している被支援者などは,B点のホロニカル体験を豊富に持っていることが多く,①の方法に効果が見込めると考えられる。しかし,被支援者のホロニカル体験が不足している場合や,C点の観察主体が脆弱な場合は,②の方法である面接という場における「今・ここ」の被支援者のホロニカル体験の充実化を積極的に促進する必要がある。

いずれの場合でも,観察対象A点やB点と一定の心的距離を保ち,かつ,いつでもA点とB点との間を「行ったり・来たり」することを可能とするような「適切な観察主体」(C点)の確立・強化・補完が重要といえる。

3 ABCモデルの基本形
ABCモデルの基本形は,前述した図1の通りである。これはABCモデルを二次元的に表現したときの図である。

A点、B点のそれぞれで,観察主体が観察対象を,「層」としたとき、個人的無意識,家族的無意識,社会的文化的無意識,民族的無意識,人類的無意識、哺乳類的無意識、は虫類的・・・・量子的無意識といった「内的対象関係」が考えられる。また観察主体が観察対象を「次元」としたとき,個人的次元,家族的次元,社会的文化的次元,民族的次元,人類的次元,地球的次元、宇宙的次元といった「外的対象関係」が考えられる。
A点においては,観察主体と観察対象をめぐる多層性内や多次元性内の各位相間,あるいは層と次元間での位相間における不一致による悪循環が,自己違和的な直接体験として顕在化する。その一方で,B点においては,ホロニカル体験の瞬間,自己と世界は一致となり,その後,多層多次元間の位相の不一致の自発自展的な統合化が促進される。こうした特徴をもつA点とB点の「行ったり・来たり」が,自己と世界の一致に向けての適切な自己の自己組織化を促すと考えられる。
自己と世界の不一致による自己違和体験と,自己と世界の一致のホロニカル体験の往復は,一見対立するようにみえるものが,実は不可分一体であるとの実感・自覚をC点の立場に立つ観察主体にもたらしていく。このように瞬間・瞬間,不一致と一致を繰り返しながら,自己と世界の縁起的包摂関係(ホロニカル的関係)を実感・自覚していくことには,いくつかの段階があると考えられる。こうした発展仮説を可視化すると,以下の3つのモデルによって示すことができる。なお,各モデルの観点は,支援者自身の意識であり,その支援者の観点の意識の差異を示しているといえる。

 

4 ABCモデルの発展①モデルⅠ(個人モデル)

モデルⅠは,「個人モデル」である。C点の意識は,自己と世界の不一致¥致・一致の繰り返しの直接体験を累積していった個人の次元を対象としている(図2)。自己の世界との不一致・一致の直接体験は,A点とB点を両極としながらも,多様多彩の組み合わせとして存在する。その多様性を円で表現したとき,観察主体と観察対象の個人的次元の関係は円錐モデルとなる。

 

 

②モデルⅡ(場所モデル)
次にモデルⅡは,「場所モデル」である(図3)。C点の意識は,

当事者や被支援者ばかりでなく,家庭,学校,施設,企業,ある特定の地域社会などにおける家族知人,関係者も支援対象とし,当事者や被支援者を含む場所そのものが適切な場所となるように意識されている。ホロニカル・アプローチでは,自己を場所的存在と捉えており,モデルⅡでは,場所も支援対象となる。対象となるのは,家族,組織,地域社会など,いろいろな場所の限定が考えられる。

モデルⅡでは,各々の自己にとって,自己と世界との不一致・一致が観察主体と観察対象の不一致・一致の現象として場所から立ち顕れてきていることを表現している。大円錐で表現されている領域内が,各自己が所属する社会的場所(家庭,学校,企業,地域社会など)に相当する。したがって,大円錐の頂点のC点は,超個的次元の観察主体といえる。しかし,この大円錐の頂点のC点の観察主体は,社会文化的影響を受けたホロニカル主体(理)の影響を受けている。したがって大円錐内にある各自己のC点も,当然のこととして所属する社会の既知のホロニカル主体(理)の影響を受けていると考えられる。この段階では,支援者は,当事者および当事者を含む家族や関係者を支援対象としている。

③モデルⅢ(場モデル)
最後の段階であるモデルⅢは,「場モデル」である(図4)。ここでは,場と場所的自己の不一致・一致レベルを扱う。

場モデルの段階では,生死の場との一致を求める真の自己の実感・自覚に向かう。すべての現象が,絶対無(空),あるいは存在と意識のゼロ・ポイントから生成消滅を繰り返しており,そのことが多様な観察主体と観察対象の不一致・一致の現象なっていることを実感・自覚している段階である。

場とは,過去を含み未来が開かれてくる「今・この瞬間」にすべての現象が生成消滅を繰り返しているところである。ホロニカル・アプローチでは,あらゆる現象が立ち顕れてくる究極の場は「絶対無」「空」であると想定している。モデルⅢは,支援の対象が,生死の場(絶対無)との一致を求めるトランスパーソナルな段階であり,支援者の意識は,当事者の場所の限定を離れて,生死の場そのものに共に生きる感覚になる。

ABCモデルの段階説では,ある場の時間空間的な限定によって,場所的自己ともいえる自己と世界が,不一致・一致を展開する。その結果,場所が異なると,異なる場所的自己と場所の不一致・一致が自発自展するが,究極的には,すべての場所がおいてある生死の場に,場所的自己は,その死によって,最終的には場に還元的に一致することを示している。

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