不一致の拡大

専門家のロゴスが、場を支配する時代が到来してきています。

価値の多元化・多様化が高まり、人と人との間の不調和感や違和感が高まる社会にあっては、ともするとその不確実性に人々は耐えかねて、専門家と称する人のロゴスに頼る傾向を強めているからです。

しかし、専門家のロゴスに頼るということは、専門家に判断基準を一任することにほかなりません。しかし、専門家を活用するのではなく、一任してしまうと、違和感を実感している感性的次元とロゴスでもって知的に判断しようとする理性との間の断絶が起き、前者を無視しがちになります。そうなると、違和感の抱く感性の奥にある多様性を模索が無視され、多元的・多様的な価値を無視して、結論の一本化するためのロゴスを頼ることになります。こうして詭弁が駆使されるよういなります。違和感を抱く多様性を含んだ感性を黙殺し、ロゴスによって一元的に統合化を図ろうとしてしまうのです。

価値の多元化や多様化のもたらす違和感は、実は表層レベルでの差異に由来します。差異をもたらす深層には、共有可能な世界があります。深層方向に向かって、非言語的な世界、すなわち言葉が立ち現れくる混沌のうちにこそ、根源的な一なる世界が潜在しているからです。