個人内カウンセリングと、個人外カウンセリング

kouyou

個人の内界を中心に扱うを扱うカウンセリングを、仮に個人内カウンセリングと名づけることにしましょう。個人内カウンセリングは、私が私自身(自己)について観察したり、分析したり、理解したり、内省したり、洞察することが中心となります。
これに対して、私が私自身(自己)の方向でなく、私以外のものを対象として、観察したり、分析したり、理解したり、内省したり、洞察する方向もありえます。これを仮に個人外カウンセリングと名づけることにしましょう。個人内カウンセリングが、内界を扱うとしたら、個人外カウンセリングは、外界を扱う場合といえます。この時、外界のテーマといってもいろいろあります。家族、恋人、知人、友人・・などの人がテーマとなる場合があります。家庭、地域社会、会社・学校、国という社会的テーマとなる場合もありえます。自然、宇宙といったもっと広大なものが対象となることもありえます。常識、慣習、文化、芸術、倫理、哲学、宗教といったものが対象になることもあるでしょう。

実はこれらの外界のテーマに関するカウンセリングは、内界や自己のありようにも大きく影響します。その逆に、個人内カウンセリングは、私の外界の対象への観察、分析、理解、内省、洞察に影響を与えます。両者のこうした関係は、カウンセリングの時には、常に忘れないことが大切です。個人内カウンセリングばかりに焦点化し、私が私自身(自己)についての洞察や内界の探索ばかりしていると、ついすべての問題の発生の原因が、あたかも個人内にあるかのような錯覚に陥ってしまうので十分に気をつける必要があります。逆もいえます。いつも外界のテーマばかり扱っていると、あたかも外界が、私や自己を迫害し、苦しめるばかりのように感じられてしまいます。

人の苦悩は、これは内界の問題、これは外界の問題というように、単純に思弁的に割り切ることができるようなものではありません。人の苦悩は、まさに内界と外界のぶつかりあう狭間で起きています。人は、この内界と外界の狭間に揺さぶられながら生きているのです。内界と外界との間の一致と不一致、矛盾・対立と止揚、分裂と再統合などが絶え間なく繰り返すところに、私や自己が生きているのです。

人は、この狭間にあって、基本的には、両者の一致が叶うような、よりよき人生の道を探しながら生きている存在ともいえるのではないでしょうか。         (定森恭司)