共に変化する関係の構築

相手を変えようしても上手くいかないときには、自らが変容すると相手も変容するとよく言われます。しかし、こうした変容のプロセスをよくみていくと、相手が変容するのでなく、自分と相手との関係自体の変容が、相手の変容をもたらしていることがわかります。無論、上手く変容しない場合もありますが、人間関係が上手くいく場合とは、関係自体の変容が常にあるためといえます。

相手を変えようとしているときというのは、自分は問題ではなく、相手が問題だと外罰的になっています。しかしこうした態度は当然のこととして相手には強い警戒心をもたらします。しかしながら、自分も多少なりに態度を変えることによって、問題を問題として扱っていた関係そのものに小さな変化が起きて、やがて局所的変容を可能とする新しい関係の成立が、やがて大きな変容につながっていき、問題自体が変容していくわけです。

人間関係における変容には、ひとりひとりの人に知らずのうちに取り込まれていた「常識」「健常」「普通」「正常」「善」「正しい」「正義」の思考の枠組み自体の変容が迫られていると考えてもいいでしょう。

(定森恭司)