桜の頃に思う

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春、花の便りが届く頃になりました。私が最も好きな季節です。

園芸家の柳生慎吾氏が常緑の常磐木より、落葉樹の方が命が続いていく感じがする。記念樹にぴったりだといった趣旨のことを話しておられるのを聞きました。

花が咲き、花が散り、結実し、その実を落とし、紅葉し、落葉して冬枯れする。
そしてまた、その裸木が芽吹き、花を咲かせる。
毎年毎年の繰り返しであるけれども、着実に年輪は重ねていく。

人間もまた、この「死と再生」を繰り返しつつ、生きているのだなあと思うことがよくあります。
年輪という過去を抱えつつも、花を散らし、実を落とし、葉を落として、枝だけの裸木となって冬を耐えた後、新たに生まれ変わったように美しい花を咲かせる春の木々。

懐かしい過去に戻ることもできないけれど、嫌な過去も嫌な過去として置いておいて、生まれ変わる。REBORN。
こんなことが実感できる季節だから、私は好きなのかも知れません。
(前田由紀子)