瞬間の違和感の増幅・拡充

クライエントが言葉にする前の違和感に焦点化し、その非言語的身体的感覚を増幅・拡充することで、クライエントが日頃強迫的に観察主体と観察対象をめぐって反復している悪循環パターンが明らかになります。身体的違和感とは、自己と世界の不一致の感覚でもあるためです。

クライエントが観察主体と観察対象をめぐる悪循環パターンを実感・自覚すれば、少しでも違和感が減じる方向に向かって観察主体の視点や身構えを変えたり、観察主体と観察対象の関係自体の見直しを図ることが可能となります。

このとき大切なことは、クライエントの抱く不一致感に対して、カウンセラーが徹底的に一致することです。そうすることで、クライエントは自己と世界をめぐる日頃の不一致感をカウンセラーとの間では一致するという相矛盾する体験を同時に実感・自覚することが可能となります。不一致の体験を一致する体験を自己照合の手がかりにして、クライエントは観察主体と観察対象の関係が、少しでも自己と世界の一致する方向に向かって自己を自己組織化することが可能となるのです。 (定森恭司)