誠実な会話のための条件

 誠実な会話ができる時を振り返ってみると、お互いの感じ方や考え方が、いつも一致しているとは限らないことに気づきます。むしろ、誠実な会話が成立している時ほど、自分の感じ方や考え方とは異なる人がいるもんだなあと、つくづく感心しているものです。 自分とは異なる世界観や常識をもつ人がいることに、日頃から沢山気づくことができている人ほど、世界の多様性と面白さを感受することができているといえます。

 しかし、こうした気づきのためには、次のような条件が必要になります。
  ①問題に対して、お互い自発的な問題解決模索の態度をとること。②自分に対しても相手に対しても、できるだけ率直な態度をとろうとすること。③安心して自己表現できる場づくりにお互い心がけること。
 こうした条件が満たされて、はじめて人は安心して異なる感じ方や考えを相手に語ることができます。

  協働的な雰囲気がある場では、誰もが問題を解決の主体になり得ることに自信を深めます。こうした協働的な場があるからこそ、自らの感じ方や考え方を新鮮にし、それを基準にして自らが判断し、自らが問題を解決していくことができます。そして、自分なりの解決ができながら、自分とは異なる多様な見方や問題解決の仕方があることを実感し、違いに対する寛容さを身につけることもできるようになると思われます。   (定森恭司)