2つの心理学

心理学には、2つの心理学の立場があるように思われます。
このことを「あるバラの花」のことで考えてみます。

今、AさんとBさんの目の前に、赤いバラの花があります。
この時、Aさんの目の前にあるバラも、Bさんの目の前にある赤いバラも同じバラ科バラ属の花を見ていると考える心理学の立場が成立します。

しかし、この立場とは異なる心理学も成立します。
Aさんと、Bさんの受け取り方には、まったく違う気持ちが湧いていることに注目するわけす。実は、Aさんにとっては、目の前の赤いバラの花は、甘酸っぱいに香りに誘惑され是非部屋の中に飾りたいバラの花です。ところが、Bさんはにとっては、二度に見たくないバラの花なのです。なぜならば、かってバラの花束でもって大好きな女性に求婚をしたものの見事に失恋した花だからです。

このように2人にとっては、同じバラの花を見てはいても、まったく意味の異なるバラの花の世界に生きていることを重視するところに心理学を成立させようとするわけです。

前者の立場は、できるだけ主観的なものを排して、客観的な科学的立場から人の心理の普遍的原理を発見していこうとします。それに対して、後者の立場は、主観的なところにひとりひとり異なる“こころ”を解明しようとする心理学が成立するわけです。

でも、大切なことは、どちらも大切にすることのできる心理学を打ち立てることだと思いますが、いかがでしょうか?               
                               定森恭司