ホロニカル心理学は、心的症状や心的問題などの生きづらさを抱える人たちへの心的支援としてホロニカル・アプローチを研究していく中で、これまでの心理学概念のパラダイムから新しいパラダイムへのシフトへの必要性から自然に形成されてきました。

 ここでは、ホロニカル心理学やホロニカル・アプローチで用いられる主要概念について説明します。

※詳しくは、心理相談室こころ室長 定森恭司著書の「ホロニカル・セラピー:内的世界と外的世界を共に扱う総合的アプローチ)」(遠見書房、2015)を参照ください。

ホロニカル心理学で用いられる重要概念

1.こころの仕組みを理解する時
に用いられる主な概念
※ホロにかる心理学の心的構造論にあたます。

2.こころのあらわれ方を理解する時
に用いられる主な概念
※ホロニカル心理学の心的現象論にあたります。

3.発達の理解のための概念
※ホロニカル心理学の発達論にあたります。

4.ホロニカル・アプローチで活用される主な概念
※ホロニカル心理学の実戦論にあたります。

フラクタル構造

微少な部分と全体とが自己相似的な構造をもっていることを「フラクタル構造」と複雑系の科学ではいいます。フラクタル構造の例としては、よく海岸線をモデルにして用いられるコッホ曲線(下左図)が引き合いに出されます。雪の結晶もそうです。

臨床心理学的に見て、ある心的症状や心的問題行動を反復する人には、自己及び世界との関わりをめぐってさまざまな悪循環パターンを反復しています。不適切なフラクタル構造があるといえます。
しかし、そうした時でもホロニカル心理学では、取り扱い可能な小さな悪循環パターンの変容から取り組み、小さな変容を根気よく積み上げれば、水が氷になったり、水蒸気になるように、やがて大きな心的変容に至ると考えています。

メロディの一小節を変えるとメロディ全体の相貌が変わるような現象、将棋の一駒の動きでその全局面が一変するような現象、口もとの微かなゆるみが顔全体の相貌を変えるような現象は、「共変変化」(黒崎宏)と言われています。

ホロニカル心理学におけるフラクタル構造の変容の捉え方も、自己のある部分の変化が自己全体に対しての共変変化をもたらすと考えています。

「ある意味のある小さな変化」が起爆剤となって、やがて共変変化を引き起こし、多層多次元にわたる不適切なフラクタル構造が、これまでとは全く異なる新たな適切なフラクタル構造を自己組織化していくと考えているのです。

※詳しくは、心理相談室こころ室長 定森恭司著書の「ホロニカル・セラピー:内的世界と外的世界を共に扱う総合的アプローチ」(遠見書房,2015)、または、定森恭司・定森露子共著の「ホロニカル・アプローチ:統合的アプローチによる心理・社会的支援」(遠見書房,2019)を参照ください。