心的葛藤とは:ホロニカル心理学の立場から

内的現実主体(内我)の抱く、イメージ、欲求、要求、感情など非言語的な何かが、外的現実主体(外我)にとってあまりに受け入れ難い時には、外我は受け入れがたい内的現実主体の直接体験の一部に対して防衛的になります。その結果、内的現実主体は、コンプレックスを抱え込むことになります。コンプレックスは、外我が内我に対して行う防衛機制である、抑圧、切り離し、否認、反動形成、合理化、投影、分裂・排除によって形成されます。

外我と内我の不一致が複雑なコンプレックスをつくりだしてしまうのです。しかもこの時、コンプレックス自体が否認されると身体的症状にも転換されることもあります。

外我と内我が不一致となると、精神分析や分析心理学では、内的現実主体の抱くコンプレックスの外我への意識化を重視します。しかし、ホロニカル・アプローチでは、意識化そのものよりも、外我と内我の不一致そのものを新たな適切な観察主体から俯瞰することによって、外我と内我が一致する方向の模索を重視します。外我と内我が一致する方向への早道と思われるならば、場合によっては、コンプレックスそのものを不問に付すことすらあります。