生きづらさと「ねば思考」

ドラゴン

「ルールは守らなければならない」「泣き言を言わずに頑張らなければならない」など、思考の特徴のひとつに「○○ねばならない」という「ねば思考」と言われるものがあります。

そして、こうした「ねば思考」に対して、「ねば思考」からの拘束から離れ、「もっと自由になりましょう」というトーンが巷ではよく言われます。

しかし、ここでそれこそ「注意しなければならない」ことがあります。

決して、「ねば思考」のすべてが悪いわけではないことです。

実感なき自覚は妄想です。真の自覚は実感に基づきます。「ねば思考」においても同じです。実感を伴って自ら「○○ねば」という時は、自覚をもって自らの使命を果たそうとする時であり、むしろ奨励されます。しかし、心的症状や心的問題などの要因になると思われる「ねば思考」は、内発的動機や自ら腑に落ちているという実感もないまま知らずのうちに「ねば思考」への服従を余儀なくされている思考の枠組みです。こうした場合は、再度、自己点検してみる必要があります。

いずれにせよ、実感の裏付けを伴う自律的な「ねば思考」と、実感なき他律的「ねば思考」の2つを区別する必要があるのです。