心理学(1)


人間の苦悩や悲哀の意味を問うのが哲学とするならば、いかにすれば救われるかを扱うのが宗教だといえます。

そこで、もし心理学は、人間の苦悩や悲哀にどう向き合うのですかと問われたならば、「人間の苦悩や悲哀の意味を問い、かつ、どのようにすれば救われるかを発見・創造していく学問です」といいたいところですが、まだまだ歴史が浅すぎて、哲学や宗教から学ぶべきものが多いと思います。

哲学と宗教と心理学の関係でいえば、哲学的な問い無き心理学は、ただの詭弁であり、支援の技術無き心理学は、ただの理念でしかないといえます。

心理学が人や社会にとって、真に意味のあるものとなるためには、苦悩を契機に新しい生き方を発見・創造する変容を促進する力を持っていることが求められているといえます。