社会的自己

言語

原初の人間は、自己と世界、善と悪、快と不快、意識と無意識の境界が混沌としていますが、歴史的・社会的な人間的世界に産まれ落ちた後には、所属する社会の文化や言葉をごく自然に獲得していきます。そして言葉の獲得は、生まれ落ちた社会の文化の識別基準によって、自己と世界、善と悪、快と不快、意識と無意識の境界を明確化していきます。

最初に主体が育ち、その後に主体が所属する社会の言語を獲得していくのではなく、原初の自己の段階から、すでに所属する社会の文化的意識を包摂した社会的自己として育っていくと考えられます。