経験の言語化

外在化されたあるクライエトの内的世界

心理社会的支援において実践をまとめていくことの大切さは、経験を対象化して論理的知的に一般化するとともに、支援者自身が、瞬間・瞬間の生き生きとした純粋な直接体験実感・自覚を深めることにります。

その作業は科学的な行為とは真逆で、身体感覚的でアート的な創造的行為に近いといえます。身体感覚的でアート的な創造的行為を論理的知的に裏づけていくことが大切といえるのです。

心理学、臨床心理学や対人援助学など、“こころ”を扱うような領域の学問においては、実感・自覚するところを、より論理的知的に深めていくことができるような学問として成立させていかなければなりません。もし“こころ”を扱う領域の学問が、生々しさを失って、対象論理によって説明されるようなものだけになってしまうと、それはもはや他の学問であって、“こころ”を扱う学問ではなくなると考えられます。

実感・自覚するところをいかに一般化するか、そこにこそ、、“こころ”を扱う生きた学問が成立すると考えられるのです。