問題の絞り込み

問題解決のためには、具体的な問題解決が可能になるまで問題を絞り込むことが必要です。問いの立て方自体が抽象的で曖昧な場合は、問題解決の道も抽象的で曖昧なものとなり、何をどうしたらいいか分からなくなるものです。問いそのものを、より具体的な問題に絞り込むことによって、問題解決の道は自ずと見えてくるのです。

例えば、「もっと、しっかりやりたいので、どうすればいいですか」という問いがあるとします。この時、「しっかり」とは具体的には何を指しているのかについては、受け取り方には沢山考えられるため、実は思いつく考えも曖昧模糊となります。そこで次のようにして相手の問い自体の明確化を図る「ひと手間」を加えます。<例えば、どんなことが、しっかりとできれば良いと思っているのですか?>と問います。すると、相手が、「もっとしっかりと勉強ができたら良いいと思っています」と答えたとします。その場合でも「勉強」とは何を指しているか幅が考えられます。そこで、<勉強の中でも、例えばどんな勉強が、もっとしっかりとできたら良いですか?>と絞り込みます。すると「算数です」と答えるとします。そして<算数の中でも、当面今どんな課題が解けると良いですか?>と問題を絞り込みます。すると「因数分解です」と答えが出たとします。このように具体的に問題が明確化すればするほど、問題解決に近づくことが可能になるわけです。