ホロニカル主体(理)
自己超越的な「理」のことです。
自然、社会・文化的なものの中に含まれていて、現実主体(我) の中に内在化されていきます。
「理」の面だけではなく、「情」の面も持ちます。「理」の側面は、宇宙の原理、社会規範、生活規範、戒律、文化、美徳、思想、信条、信念、倫理となります。
「情」の側面は、厳格な態度、批判的態度、冷静客観的な態度、慈悲深い態度など情緒的な色合いをもちます。
「理」と「情」で、ひとつのホロニカル主体(理)を形成しています。
フロイトの超自我の概念もホロニカル主体(理)のひとつです。
自己と世界との出会いに伴う一致・不一致の直接体験そのものは、瞬間的、断片的な経験の起滅の繰り返しですが、自己は世界との出会いの一致を求めて自発自展的に統合化していきます。こうした自己の統合化をもたらす「理」が、ホロニカル主体といえます。
ホロニカル主体(理)は、自己の発達段階や心的構造段階によって、①~④といったように異なる様相をもちます。
①混沌、②原初のホロニカル主体、③幻想的ホロニカル主体、④既知のホロニカル主体、
⑤創発的ホロニカル主体、⑥IT(それ) と発達段階的に変容していきます。
ホロニカル主体(理)から文化の影響を解体し脱統合していくと、究極的には言詮不及の「IT(それ)」となります。