「内我」と「外我」
ホロニカル心理学では、現実主体(我)を「内我」と「外我」にわけます。
「内我」とは、自己と世界の出会いの不一致の時に立ち顕れてくる自己意識のことですが、「内我」は、もっぱら自己と世界の一致・不一致の直接体験をそのまま直覚しようとします。足の裏が何かに触れている感覚に意識を焦点化している時には、内我が働いているといえます。
「外我」とは、自己と世界の出会いの不一致の時に立ち顕れてくる自己意識のことですが、「外我」は、もっぱら自己や世界を観察対象として、さまざまなものに識別したり区別しようとします。足自体を客観的に観察しようとする時は、外我が働いているといえます。
「内我」と「外我」のいずれが立ち顕れるかは、観察主体と観察対象の関係性をめぐって、自己と世界の出会いをどのように意識しようとするかといった一瞬・一瞬の志向性の差異によって決定されていきます。
自己と世界の出会いは、「内我」の出現時に、自己と世界が一致しやすくなり、「外我」の出現時に、自己と世界が不一致になるということを繰り返しています。
「内我」と「外我」の関係は、さまざまな体験を経ていくうちに、発達段階や個人個人特有の心的構造を形成していきます。