現実主体(我)
ホロニカル心理学では、自己と世界の出会いの不一致・一致の繰り返しの中で生起する意識作用の主体を「現実主体と呼びます。「私」の意識のことです。
従前の臨床心理学・精神医学などでいう「自我」に相当します。ホロニカル心理学的では、「自我」という概念は、西欧的な近代的自我のことを指し、日本人のいう「私」とも異なると考えています。
現実主体(我)は、常に存在しているようなものではなく、自己と世界の出会いの場で起滅しながら、非連続的に連続しているものと捉えます。
「私」という意識の一貫性をもたらしているものは、現実主体(我)ではなく、自己と世界が常に不一・不異の関係として相矛盾し対立しながらも同一の関係として立ち現れるからと考えられます。自我に同一性があるのではなく、自己に同一性があるといえます。
ホロニカル心理学では、現実主体(我)が観察主体となって自己や世界を観察する時の 志向性によって、 「内我」と「外我」 の2つを区別します。