プロセスとしての“こころ”

ある情動、ある感覚、ある感情、ある行動、ある思考は、“こころ”の現象のある局面であっても、“こころ”の要素とはいえません。

“こころ”を研究対象とする心理学では、物理学のように“こころ”を要素に分解しても複雑なものを単純化してもあまり良き研究成果が得られません。“こころ”のある局面には、多層多次元な局面が関係し含まれてしまいます。“こころ”は、あらゆるものが複雑に絡み合って刻々変化するプロセスのようなものと考えられ、ある要素だけを単独で抜き出すことはできないといえます。

“こころ”の研究は、内省的であること、洞察的であること、自己再帰的であることから離れることが不可能です。“こころ”のことを研究しようとする主体から、“こころ”を切り離すことはできないのです。“こころ”を外から客観的に研究対象とすることはできないのです。