※「IT(それ)」は、2024.11.20以降、「それ(sore)」に統合されています。以下のブログは、統合前のものです。
東洋が重視する「無我」という状態は、ホロニカル心理学からすると、自己と世界が一致するホロニカル体験となっています。
ホロニカル体験時には、主体(我、現実主体)が、自己自身や何かを対象世界として識別しながら経験している状態とは異なります。ホロニカル体験時には、我(現実主体)による自己と世界の間に観察する主体と観察対象といった区分など一切なく、両者は無境界であり、自己と世界を識別するものもなく忘我脱魂状態です。
しかし重要な点は、識別できる何物もないが、ホロニカル体験という直覚だけはあります。このホロニカル体験の生き生きとした直覚が、すべての現象の実在感や自明感の源です。
しかし無我状態といえるホロニカル体験は、ホロニカル体験をも実感・自覚する総覧的観照主体である「IT(それ)」が布置してくるようになるまでは、ほんの一瞬、またはごく短い時間で終わります。