心理社会的支援の現場では、案外、よき変容に対して暗黙の了解のままになることが多いものです。しかし、たとえ微細な変容であっても、支援者と被支援者が対話を通じて、微細な変容のもつ意味やその背景にあるものを明確にしていくことは、支援の過程をより深く理解し、その効果を評価する上で被支援者だけではなく支援者にとっても有益です。
この作業、すなわち「差異の明確化」の作業は、支援者と被支援者が共に取り組んだ支援の過去の意義を明らかにするだけでなく、未来の課題を明らかにしていくことも可能にします。
「差異の明確化」は、感情、思考パターン、行動、知覚、身体感覚など、多角的な視点から進めることができます。これにより、支援者と被支援者が共により深い了知に基づく関係を築くことができます。