自己が自己自身について、世界内存在として存在する価値や意味を実感・自覚できるとき、人は適切な自尊心を育むことができます。
しかし、人間関係や社会との関係が、支援する人と支援される人、治療する人と治療される人といったように対等性を失ってしまうと、後者の人々は、適切な自尊心を獲得したり回復したりすることが難しくなります。
適切な自尊心を形成するためには、人と人との関係が、ある苦悩や生きづらさについて、共に悩み、共に苦しみ、共に成長し、共に支え合い、共に学び合って、共により生きやすい人生の道を発見・創造するような関係を構築することが必要です。これは支援関係や治療関係を超越した関係と言えます。