
子ども時代の虐待体験は、脳が常に警戒態勢に入る「トラウマモード」を引き起こします。この状態では、日常生活の些細な変化にも緊張し、予測不能な事態を常に恐れ、身体は過覚醒、過緊張、麻痺、凍りつき、低覚醒、虚脱の間を行き来し、リラックスすることができません。
トラウマケアでは、トラウマ反応に身体が巻き込まれることなく、被支援者が自分の身体と仲良くなることを目指すと効果的です。具体的には、トラウマ体験時の身体感覚や、トラウマ記憶に触れたときの身体感覚の微妙な変化に注意を向けることが重要です。その上で、瞑想、マインドフルネス、イメージトレーニング、音楽、ヨガ、演劇、運動、呼吸法などを用いて、身体を解放し、心と身体を一致させることを目指します。
対話によるカウンセリングでは、自分の身に起こったトラウマ体験に向き合い、感情に巻き込まれないようにすることが優先されます。ホロニカル・アプローチのABCモデルにおけるC点の布置が大切となります。