
物理現象や心的現象における究極のリアリティを言葉で表現することは、パラドックスや不条理に満ちた世界を描写する試みであり、非常に困難です。しかし、表現せずして理解することもまた難しく、この矛盾を克服するために、これまで多様な表現方法が模索されてきました。
量子論においては、粒子が波と粒子の二重性を持ち、複数の状態が同時に存在する重ね合わせや、光速を超えた情報伝達を示す量子もつれなど、私たちの通常の論理的思考では理解しがたい現象が観測されています。
同様に、東洋思想、特に禅が探求する「無」の概念も、言葉による説明を超えた体験的知識としてのみ理解される領域です。これらは、言葉や論理的思考では捉えきれない矛盾を内包した世界こそが、究極のリアリティであるという共通点を持っています。
驚くべきことに、最先端の観測技術によって明らかにされる量子論の究極的なリアリティのイメージが、長年の心的現象の探求から得られた東洋思想の体験的知識に基づくリアリティのイメージに近づいていることが指摘されています。
このような視点は、内的世界と外的世界を統合的に扱うホロニカル・アプローチの考え方とも響き合います。