
統合化をめぐって二つの立場が考えられます。この二つの立場は、とても違った考え方や行為の違いになっていきます。
一つの立場は、統合すること自体に、価値を置き、統合を目的にする立場です。この立場の場合は、最高の価値の目的達成のために統合しきれないものや統合化に抵抗するものに対して、説得や妥協や服従を強いるか、排除するか、消し去る必要が出てきます。
もう一つの立場は、統合化を目指すものの統合化しきれないものや抵抗するものに対して、一定の境界を設定し、緊張関係を取り合えずそのままにおいて置く立場です。
なお、統合しきれないものには、外的対象と内的対象が考えられます。
適切な自己の自己組織化の促進進サポートを重視するホロニカル心理学の立場は、後者の立場を取ります。そのため統合化しきれない自己違和的な内的・外的対象に対しては、一定のほどよい心的距離を保った適切な観察主体が布置するように創意工夫を図ります。ABCモデルを使って説明すれば、統合化に馴染まず抵抗する陰性感情を伴った自己違和的体験(A点)に対して没入している自己を、適切な観察主体C点から俯瞰できるように創意工夫を図ります。適切な観察主体(C点)が布置すると、A点ばかりに視野狭窄的になっていた状態から、ホロニカル体験(B点)を含むA点とB点の間のさまざまな内的対象や外的対象に意識がいくようになります。統合化に馴染まない面となるA点を早急に無くそうとせず、むしろ適切な観察主体(C点)の確立にエネルギーを注ぎます。
自己は適切な観察主体を維持しながら、適切な自己意識を発達させることができる限り、自己と世界の出あいの不一致が一致する方向に向かって適切な歴史的自己を自己組織化することができると考えています。そのため、後者の立場を取ります。