
直接体験は、唯一かけがえのない特殊な出来事であり、同時に一般的な出来事でもあります。実在する世界とは、特殊と一般が、自己と世界の出あいにおける不一致と一致の相互否定と相互肯定によって、一瞬ごとに新たな自己と世界を創造し続ける世界です。このような生の質的感覚、すなわちクオリアが実在世界なのです。
実在する直接体験の質的感覚は、なぜそうなるのかと問うても掴みきれないものです。むしろ、ただこのままの出来事として理解されるものです。
実在する世界は、観察主体が観察対象とした途端に捉えきれなくなります。実在する世界は、ただそのままのものです。知情意をもって識別・判断される前の生の質的感覚が実在する世界なのです。