システム論とは「関係」と「統合」と言う2つの観点から物事を見ていく考え方です。こうした観点は、要素の総和として全体の働きを説明しようとする要素還元主義的観点とは異なり、構成要素の総和以上の働きを示す全体の原理にも注目します。
ホロニカル心理学もシステム論の立場です。あるシステムAはそれだけである程度の自律的全体として振る舞いながらも、他のシステムB、システムCの構築に縁起的包摂(ホロニカル)関係的に影響し、システムB、システムCの振る舞いはシステムAの構築にホロニカル的に影響していると考えます。部分が全体を包摂し、全体もまた部分を包摂し、すべてが一即多・多即一に展開すると考えられるのです。
実在する自然界は、複雑な有機的なシステムの織りなすホロニカル的世界と考えられ、機械論的な世界とは異なります。機械論的世界観は、形式論理的に考え出された記号的抽象世界であって実在する世界ではありません。
自己にとって、実在する自然界は、自己と世界がエコロジカルに絡み合って生命感溢れる世界を私たちに直観的にもたらしている世界のことです。自己なくしては、自己にこうした生命感溢れる自然界を映す自然界は存在しないといえるのです。
自己の直接体験を伴わない世界は、無味乾燥な知的に考え出された記号的な形式論理でしかないといえます。真の論理は、自己と世界の出あいの直接体験に包摂されている論理を明らかにするものでなくてはならないのです。