自由無礙の俯瞰(22):主観を含む世界が実在する世界

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「観察」とは、主体が対象をあるがままに見る行為と定義します。するとホロニカル心理学の「俯瞰」とは、観察主体と観察、対象の関係そのものを時々刻々、あるがままに観察する行為といえます。

しかし「俯瞰」の視点は、定点的観察ではなく、観察主体と観察対象の無限の組み合わせを含んでいます。観察主体と観察主体が一致して無境界になる瞬間から、観察主体によって観察対象が無限に識別された重々無尽の多層多次元の現象世界まで、「ただあるがまま」に観察されます。観察主体がゼロ・ポイントとなって観察対象との区別がなくなる極限の点から、観察主体が無限の球になって観察対象との区別がなくなる極限の球を含むのがホロニカル心理学でいう「俯瞰」です。「自由無礙の俯瞰」と概念化しています。

客観的な観察では、主体の主観性を極力排除して現象を自己超越的な視点から見ることが重視されますが、「自由無碍の俯瞰」の立場からすると、それは観察主体の一つの視点に過ぎず、知的に判断され構成された世界に過ぎないと考えます。主観なき世界が客観的世界だと判断するのは、一つの主観的世界観による判断にすぎないと考えます。

ホロニカル心理学では、自己にとって実感・自覚されている世界は、主観と客観が不一致・一致を繰り返している世界と考えています。

実在する世界とは、「自由無碍の俯瞰」によって実感・自覚されていく観察主体と観察対象の組み合わせの差異によって、刻々と創造されていく現象世界のことと考えられます。