トラウマからの解放:ホロニカル・アプローチと三点法を用いた衝撃的な事故の記憶の変容

AIで作成

継続面接中の20代の女性、Wさん(実在の事例をいくつか組み合わせて構成した架空のケース)は、横断歩道を渡っていた子どもが自動車事故で即死する場面を目撃し、その衝撃に急きょ対処するためにホロニカル・アプローチの一つである三点法を用いました。Wさんの発言は「」、カウンセラーCoの発言は<>で示します。

「二日前の夕方、私が通りかかった横断歩道で、子どもが自動車事故に遭いました(顔が曇り、視線を落とし、声がか細くなる)。その子は車にはねられ、その場で亡くなりました。突然の大きな音と悲鳴に驚き、その場面を目の当たりにしました。」「その子は学校帰りのようで制服を着ていました。その後、その光景が時々思い出されます。私の日常が侵された感じです。とても辛い。その光景が焼き付いてしまいました。今年に入ってから、周りで亡くなる人が多く、これが最後だったのかと思います。」

Wさんの外傷性記憶に対して、Coは、観察主体である外的現実主体が内的現実主体が抱く外傷性の気分と記憶に圧倒されながらも、外的現実主体が観察主体であり続けることを強化する感じでの鏡映的要約反射に徹底した後、
<目に焼き付いてしまったあとどうされましたか> (その後、無意識にとった行動の意識化の促進)
「その場から逃げ出したくて、そのまま家に帰りました。でもまだその光景が頭から離れません。」
<その後、眠れましたか>
「なかなか、でもまあなんとか」

見た時の感じの明確化を図ると、「怖いという感じ 怒りもありましたね」
スケール化:「怖い: 10」「怒り: 7」

<怒りの背景にはどんな気持ちがありそうですか>
「無防備な子どもが犠牲になった怒り」「その子を知っていたら違ったかも知れないけど、 全く知らない子だったので・・・」

<ところで Cさんにとって、落ち着ける場所って、どんなところですか。これまでの人生の中であの時は、とても落ち着けたなあと思った場所の記憶があったら、教えていただけますか?>
「今の家で、ひとりでいたとき、天気が良く、風通しがよく、静かなで、ゆったりと何を考えるでもなく、過ごした時」。Coは、面接時のクライエントが、あたかもその時にいるかのような感じでの再現化を求めていく。
<今、思い出している C さんは、今、部屋のどこにいるんですか>
思わず笑みがこぼれながら、「お気に入りソファーで、リラックスしています。座ってのんびりとしています」
<何か見えますか・>
「窓が開いていて、北から南に通る風・・ふわーっと通る風、 日差しはやわらかい。 TV は消えている。 軽い音楽がなっている。のんびりと飲んでいる」

共感的に細部にわたって再現しながら、<何を飲んでいるですか?>
「自分で豆を挽いたたコーヒーを飲んでいます」
<季節はいつ頃ですか>
「夏の少し前」
<それでは、今から、その風景を写真にとって、その写真をいつでもとりだせるように身体のどこかの宝箱に入れることができますか>
「はい、簡単にできました」
<どこにしまいましたか?>
「ここのあたりに(みぞおちあたりを両手でさする)」
<それでは、また取り出してみて下さい>
「はい、できました」
<今、恐怖感は>
「0です。 まったくありません」
<怒りは>
「やはり0です」

<それでは、今後は、目に焼き付いてしまった場面を思い出していただけますか>
途端に顔を歪める。
<それでは、先ほどの恐怖感10とか、怒りの7などに何か変化がありますか>
「不思議、靄がかかっている。恐怖感は8。 怒りは2です」
<それでが先ほどの夏の思い出の・・・(とCoが再現をしながら)音楽は CDですか、それとも・・>
「TVを消してFMを聴いていたので」
<風の感じとか、温度とか感じられますか>
「はい・・・窓でカーテンが揺れているのをみると、どうも北からではなく、南から北に流れる風ですね」「穏やかな暖かい日です」

Coが再現後、それでは、もう一度、昨日の目に焼き付いた場面を思い出していただけますか>
顔を歪めるが、「あっ、小さくなっている。遠くになっている」
<先ほどの恐怖感8は> 「4です」
<怒りの2は> 「0です。怒りはない」

解説:ホロニカル・アプローチでは、安全感・安心感をもたらす具体的な内的リソースと、トラウマ体験となっている特定の記憶表象との直面化を意図的に交互に繰り返すことで、トラウマ体験に伴う過剰な警戒心、恐怖感、緊張感や否定的認知の軽減または緩和を図る方法を「三点法」と呼びます。基本モデルとなるABCモデルのA点とB点の行ったり・来たりを適切な観察主体C点から俯瞰することで、適切な自己の自己組織化が促進されるというパラダイムに基づきます。 スパービジョンを通じて習得することができます。