
インターネットやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の急速な発展は、私たちが自己の内的世界と静かに向き合い、その深奥を探究するための時間を著しく奪ってきています。しかし、その一方で、他者や社会といった外的世界への注意を、ほぼ途切れることなく向け続ける傾向を強めています。
ここでいう外的世界とは、直接的な触れ合いに基づく親密さや、身体感覚を伴った豊かな関係性の世界ではありません。むしろ、情報化の過程で抽象化され、乾いた質感を帯びた外界です。その情報は過剰であるだけでなく、錯綜し、喧噪化した情報社会の一部を構成しています。その結果、多くの現代人は外的刺激の変化に過敏となり、ホロニカル心理学が指摘する「外我優位」な心的構造をもつ人々が増えています。
外我優位とは、内我の脆弱性を意味します。それは自己の内的世界の深層に触れる感受性を阻み、複雑かつ多層的・多次元的な感情に対する理解を浅くします。さらに、その影響は自己だけにとどまらず、他者の複雑な感情状態を想像し、共感的に包み込む能力の低下にも及びます。
高度情報化社会を生きる私たちが、より全体性をもった生を歩むためには、自然が本来的に有する深層的な秩序構造や、言葉では容易に捉えられない自己深奥部・・・すなわち、内的な「闇」とも呼べる領域・・・との対話を回復する必要があります。その営みこそが、外我優位の偏りを調整し、内我と外我のバランスを取り戻す道となると考えられるのです。