ホロニカル・アプローチとは?

ホロニカル・アプローチとは?

 -内的世界と外的世界を共に扱う総合的アプローチ-
ホロニカル・アプローチとは、“こころ”の深層から、身体、関係性や社会に至るまで、自己(部分)⇔世界(全体)の関係を自由無礙じゆうむげに俯瞰しながらアプローチするもので、フロイトやユング、家族療法、プロセス指向心理学、システム論、ナラティブ・セラピーに加え、西洋哲学から東洋思想までをバックボーンに、生命力の溢れる情感をともなった“こころ”そのものの体験を扱っていく心理社会的支援に関する理論および技法のことです。

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小物による外在化

ホロニカル・アプローチでは、内的世界や外的世界の出来事、あるいは、そのいずれの世界も象徴的にわかりやすく見える化(可視化)するために、よく小物を使って面接の場にあるテーブルの上に表現します。「小物による外在化」と呼びます。

例えば、

自分(あるいは、こころの中の自分)
通称:オカリナ(左写真)
こころの中(あるいは、実際の人)で、自分を守ってくれるような存在。
通称:シバ神:(左写真)
こころの中(あるいは、実際の人)で、自分に攻撃を加えてるくるような存在 。
通称:ドラゴン(左写真)

これらは、いろいろ組み合わせていくことができます。

ある人の外面(そとづら)(外我:社会的自己)と内面(うちづら)(内我:内的自己)

 

フクロウ(外面)、オカリナ(内面):(左写真)

ある人の厳しい倫理観を内在化した外面と、外面によって監視される内面を、ドラゴン(厳しい倫理観)、フクロウ(外面)、オカリナ(内面)によって象徴的に表現する:(左写真)

もうちょっと複雑になってきますと、次のような使い方もされます。

ある人の厳しい倫理観を内在化した外面と、外面によって監視される内面を、何でもお見通しで、なんでもできる力をもち慈悲深くみているトランスパーソナル的存在を、シバ神(慈悲不快超個的存在)とし、シバ神が、ドラゴン(厳しい倫理観)、フクロウ(外面)、オカリナ(内面)を見守っているところを象徴的に表現する:左写真

外在化は、場面再現法・対話法・超俯瞰法などと組み合わされます。

※詳しくは、心理相談室こころ室長 定森恭司著の「ホロニカル・セラピー:内的世界と外的世界を共に扱う総合的アプローチ」(遠見書房,2015)、または、定森恭司・定森露子共著の「ホロニカル・アプローチ:統合的アプローチによる心理・社会的支援」(遠見書房,2019)を参照ください。