能動的想像法
心理学の世界では、無意識的な心的内容を扱う方法として、フロイト派による自由連想法が有名ですが、ユング派では、夢分析とともに能動的想像が有効なアプローチとして活用されています。ホロニカル・アプローチでは、Jung、C.Gにはじまり、Spiegelman、J.M.&河合隼雄、老松克博等のユング派の能動的想像の研究に多く示唆を得ています。
能動的想像を求める場合、面接時のクライエントを映画監督に仕立てることがあります(映画監督法)。また、イメージや夢の続きばかりでなく、ある心的イメージや夢のある時点から、過去に遡り、修正された物語を創作すること(巻き戻し法)を求める場合もあります。
能動的想像でも、ホロニカル・アプローチで使われる各技法が自由に組み合わされます。
-能動的想像法(映画監督法と悪夢の場面再現法の組み合わせ-
何度も執拗に繰り返される悪夢の中の場面や登場人物を小物を使って外在化します。
その上で、
<もし夢の続きを映画監督になって、どのようにでも新しい展開をつくりだすことができるとしたら、どのような映画をつくりあげますか?>と求めます。
悪夢が反復しているような場合、悪循環パターンから抜け出せないような人生脚本が無意識的な自動思考として、脳に深く刷り込まれてしまっています。
そのため、通常の状態では、なかなか新しい生き方の人生脚本を自力では作りだせないものです。ナラティブ・セラピーでは、「ドミナント・ストーリー」と呼ばれています。
しかし、夢の続きの能動的想像という劇場的な時空間と、カウンセラーのサポートを得ることで、日頃の呪縛的シナリオから脱却することができます。ナラティブ・セラピーでは、「オルタナティブ・ストーリー」と呼ばれています。
反復夢から抜け出すことができると、実際の現実の生活でも、新しい人生の歩み方へと地殻変動的変化の契機となります。