生きづらさを、ただひとりだけで抱え込んでしまうと、自力での脱出が難しくなる場合があります。
生きづらさをもたらす要因のひとつに、自らが知らずのうちに内在化してしまった社会的スティグマ(偏見・差別)がある場合が多いからです。生きづらさと向き合おうとする自己自身が半ば常習犯的に自己自身を批判し自己卑下する自己をもつという自己構造を形成してしまっているのです。そのため、いくら自己内省したり、自己洞察したり、自己観察しようとしても、内省され、洞察され、観察される対象となる自己は、ますます自己批判と自己懲罰にさらされてしまいます。そして自ら内在化したスティグマの徹底的な批判にさらされた自己は、さらに強い否定感や無力感を抱いてしまうわけです。
悪循環ループから抜け出すためにもっとも有効な方法は、自己以外との新しい出あいです。新しい場、新しい他者や新しい考え方との出あいです。
生きづらさは、決して個人だけの病理や障害に帰属できるようなものではありません。個々の抱える生きづらさの中には、多くの人にとっても共有可能な複雑な出来事でもあるのです。それは、「小さな自己」を「大いなる自己(世界)」でもって支える力を獲得する作業でもあるのです。