
心理学は、苦悩を通じて、真の自己に向かって生きていくことの手がかりとなるようなものでなくてはなりません。そのような問いから出発するものでなくてはなりません。
しかしこれまでの心理学は、科学でもあることを志向するあまり、固定的な理論や分析に依存しがちでした。心理学は、より動的で生成的なものとして捉えるべきです。
心理現象は単独で存在するのではなく、環境や社会との相互作用の中で常に変化し続けるものです。つまり、個人の“こころ”はホロニカルな関係性によって形成され、その都度新たな自己が創造されていきます。
この考え方は、心理社会的支援にも大きな影響を与えます。支援者と被支援者は固定的な役割にとらわれるのではなく、共創の関係を築きながら、新たな理解や解決策を探求することが重要です。心理学は単なる分析の枠を超え、個人と社会、さらには自然界全体とのダイナミックな関係性を統合しながら、人間の経験をより深く理解するための学問へと進化していくべきでしょう。