絶対無(空)(4)

ホロニカル心理学でいう絶対無(空)とは、何もないという意味ではなく、一切合切の条件に何ら縛られることなく、すべてを超越し、自由無碍ということです。

有無、自己と非自己、善と悪とかの一切合切の相対的対立を超越しているということです。すべての智慧が、そこから生まれ、そこに還流する源が絶対無(空)です。

ホロニカル心理学では、“こころ”とは、絶対無(空)と考えています。個人の意識を“こころ”と捉える立場とは異なります。

ただし、絶対無(空)の“こころ”が、観察主体としての自己と観察対象としての非自己に分かれた途端、重々無尽の世界が自己の前に立ち顕れてくると考えています。

しかし重々無尽に分節されるあらゆる部分と全体との関係も縁起的包摂関係にあります。一切合切が、一即多・多即一にあり、何一つとして、それだけ自立自存しているものはなく、仏教でいうところの無自性です。

私たちは、意識するかしないかに関係なく、絶え間なく、こうした無自性の“こころ”の働きを手がかりにしながら生きているわけです。