1941年に今西錦司は、「この世界の構造も、機能も、元は一のものから分化し、生成したものである」という思想を、「生物の世界」の著書の冒頭で述べています。
この考え方は、部分(自己)が全体(世界)を包摂し、また全体(世界)も部分(自己)を包摂し、さまざまな現象はミクロからマクロに至るまで、部分と全体が相互縁起的包摂関係(ホロニカル関係)にあるとするホロニカル論のパラダイムと非常に類似しています。
ホロニカル関係とは、世界のすべての現象が、一なるものの多様なものとして顕れ、各部分的存在同士が互いに他の多を包摂しようとし、また全体も各部分を包摂し、今西が「構造即機能」を一即多・多即一の関係として促進しているということです。
一見、すべての生命が独立して存在しているように見えますが、実はミクロからマクロに至るものが重々無尽のホロニカル関係を結成しながら、生成消滅を繰り返していると考えられるのです。
本来、一なる全体が多種多様な部分として表現され、各々の部分がホロニカル関係を形成し、各部分の総和を超えた全体として、各部分とホロニカル関係を築きながら分化・発展していると考えられるのです。