ホロニカル・アプローチが、被支援者の抱えている苦悩を外在化・可視化することを積極的に行う意味は、「被支援者の抱えている苦悩は、支援者の苦悩でもある」ことを明らかにするためでもあります。
しかし大切なポイントがあります。苦悩を共有するとしても、被支援者の苦悩に支援者が一体化するのでもなく、支援者には無関係の苦悩として扱うのでもないということです。
外在化された苦悩を被支援者と支援者が分かち合い、共同研究的協働関係を構築して、共によりよい人生の歩み方の発見・創造を共創していくことが大切なのです。
ある被支援者の抱えている苦悩は、ある支援者が生きている場の一切合切の抱えている苦悩を映し取り込んだ苦悩といえます。
生きている場を共有しているからこそ、被支援者の苦悩は、支援者の苦悩となるのです。