子ども虐待問題への対応の基本

子ども虐待のように多層的かつ多次元的な問題に対応する必要のある支援においては、まずは日々子どもが生きている日常生活が、安全かつ安心できるになることを優先させることが大切です。安全かつ安心できる生活の場こそが、適切な自己自己組織化を促進するからです。

日々の生活の場が適切な自己の自己組織化を疎外している限り、日々の生活の場を離れた面接室、診察室における治療の効果は、日々の生活の場に戻った途端、あっという間に消失してしまいます。

一次レベルの支援を日々の生活の場とし、二次レベルの支援を支援機関への通所・通院とし、三次レベルの支援を入所・入院とする時、一次レベルの対策の充実が二次・三次レベルの効果を上げるためにも不可欠といえるのです。

この観点からすると、現在の子ども虐待対策は、二次・三次レベルに偏りすぎていて、一次レベルの支援が決定的に不足しているため、二次・三次レベルの努力の割には、残念ながら思うほどの成果があがっていないと考えられます。