ホロニカル・アプローチによる気づき:楓子の物語(架空事例)

AIで作成

※楓子の物語は、いろいろな事例を組み合わせて創作されたノンフィクションフィクション(架空事例)です。

楓子は22歳の会社員で、うつ状態により医師の指示で休職中です。彼女は隔週でホロニカル・アプローチを行う心理相談室に通っています。これは3回目のセッションです。

<楓子の語り> 「風邪をひいて、やる気がなくて寝ていました。お母さんがインフルエンザで倒れて、私も微熱が続いて、病院には行かず、頭が痛くて熱が下がっても食欲がなくて、今は食べないと寒いので食べないという感じで・・・なまけ病か・・・やる気がなくて・・・」と涙を流しながら語る楓子。「家族に心配されると、1人になりたくなる。本当に家を出たくなってしまう」と続けます。

<カウンセラーの反応> カウンセラー(以下、Co)はこれまでの語りを要約し、「家族に心配されたくないという気持ちがあるんですね。心配されると家を出たくなってしまう自分がいる感じなのかな」と問いかけます。楓子の涙が止まり、表情が変わります。

楓子は、「コロッケをつくろうとしていたら、家族がみんな心配しだして、作れなくなってしまった。1人になるとちゃんと作れるのに」と強い口調で話します。しかしすぐに、「今は、たとえ家族の前でもコロッケは作りたくない。今は何もしたくない」と再び無気力感を訴えます。「でも、そんな自分が嫌。自分で何をしたいかもわからない」と自己否定的に語ります。

<内面の観察> Coは、「何もしたくないという自分」と「そんな自分も嫌という自分」がいる感じですね」と確認し、楓子は頷きます。Coは「では、2つの“こころ”の関係を円で描画するなどして、もう少し観察してみてみませんか」とサイコモデル法の実施を提案します。楓子は驚きながらも、「ええ」と応じ、内面を観察しながら描画を作成します。

楓子は、「Aは目的を見つけてやりたい私」「Bは何もしたくない私」と区分します。その後、「やりたいことを見つけたいけど、会社に戻る気持ちと、本当にしたいことを見つけたい気持ちがぶつかっている」と自己分析を始めます。

<複雑な“こころ”の動き> Coは「親は何か心配し続けてくるけど、楓子さんとしては、本当にしたいことをしたいけど、それも周囲に迷惑をかけず、心配を掛けたくないという気持ちもあるんですね」とAの中にある複雑な気持ちを照らし返します。

楓子は、「本当の私はこっちで」とAを指そうとしますが、「何もしたくない」というBの気持ちもあることに気づき、「本当の私ってなんだろう」と困惑します。Coは「よく本当の私っていうけど、何をもって本当の私というのはとても難しい問題だよね。このCoだってまだ本当の私ってわからない感じだからね。ただ言えるのは、Bの“こころ”の動きも今の楓子さんにはあるというのはどうも本当のようですよね」とユーモアを交えて指摘します。

楓子は、「ええ、今、自分でもそう思いました。もっとあるかもしれないですね。こうやって書いてみて、すごくわかってきた。この空きスペースにもまだ気づいていないものがあるかもしれない」と気づきを得ます。Coは「そうですね。そういう可能性は十分あり得る」と支持します。

<未来への展望> その後、楓子は「もし会社に戻らないとするならば」と条件設定を自らに課し、未来の行動を能動的に想像し始めます。「もしそう決まったら、まず高橋さんに会って、パンづくりの修行先を聞きたい」とかつて断念した夢を語り出します。「高橋さんは、ちょっとした小さなパンの店を経営していた素敵なおばちゃんで、私はその店の常連さんだった。残念ながら店は閉店してしまったけど、どんなところから始めればいいか相談して……ああ、こうして話していて高橋さんのことを思い出した」と喜びます。「これ(描画)もらっていっていいですか?」と尋ねる楓子に、Coは「もちろん、楓子さんにとってもとても大切なものだから、私もコピーをとるけど、これは楓子さんのものだよ」と答えます。

※ホロニカル・アプローチでは、被支援者が生きづらさを契機により生きやすい人生の道を発見・創造していくのをサポートしていきます。そうしたスタイルは、治療的な心理療法とは趣が異なり、被支援者の方自身が自分と自分自身の内的世界(内的対象関係)や、外的世界(外的対象世界)の関係を自由無礙に俯瞰できるような場づくりに徹する感じになります。楓子の物語は、楓子自身が、自分の内的世界を俯瞰するようになると、ABCモデルという適切な観察主体のポジションC点を得て、自ら内省し、自ら分析し、自ら洞察していくように変化していくプロセスを描いています。