トラウマの扱い方(22):ほどよい覚醒

細岡展望台

トラウマという深淵に立ち向かう際、私たちは激情を伴う記憶の海に身を投じます。そのため、ホロニカル・アプローチのABCモデルでいえば、安全で安心できる身体感覚の増幅と拡充を通じて、過覚醒や低覚醒になることなく、ほどよい覚醒レベルを保ちながら、外傷体験の全体像を俯瞰し包摂できるように支援すことが重要です。バランスの取れた覚醒は、過去の断片化された外傷体験との直面を支え、感情や行動の未処理の課題を再処理し、消化可能な体験としての再統合を促進します。

外傷体験時に凍結した恐怖や身体感覚は、「今・ここ」という安全な場において、意味のある体験として自己に再統合されていきます。この過程は、否認や隔離されていた自己の断片を包摂し、自己組織化の新たな契機となります。