客観的理解と主観的理解の統合

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対人援助における理解には大きく分けて2つあります。ひとつは、客観的理解です。他方は、主観的理解です。

客観的理解は、自然科学的な観察行為に基づく理解です。支援者の観察行為においては、観察者の感情や価値観などの主観的なものを徹底的に排除し、理性的に観察対象となる被支援者の言動を分析していきます。それに対して、主観的理解では、支援者は被支援者にできるだけ同一化し、感情移入し、被支援者の主観的世界をできるだけ相手の身になって了解していこうとします。

ホロニカル心理学では、こうした理解の二重性に注目し、両者をより統合的に理解していく方向を探ります。具体的には、同じ現象に対しても、観察主体と観察対象の組み合わせが異なると自ずと観察結果も異なるので、さらに観察主体と観察対象の組み合わせによる差異を、現象の多層多次元性の顕れとして、自由無礙の俯瞰の立場から統合的に理解していこうとします。ある被支援者の言動に対して、生物神経学的視点からの観察結果を得ることができるとき、全く同じ現象に対して社会的次元からの観察結果を得ることができます。問題はそれぞれの観察結果に基づく支援が、他の層や他の次元にもたらす影響を考慮しながら、より統合的かつ立体的に適切な支援の方向を模索します。すなわち客観的理解から主観的理解までを自由無礙に俯瞰しながら、客観的理解と主観的理解がふと腑に落ちるようになっていくような総合的理解に基づき、最もベストな支援を模索します。

ある現象をめぐって、客観的理解と主観的理解が、客観即主観、主観即客観になる一瞬を手がかりにしながら、客観的理解と主観的理解の溝を埋めていくようなアプローチをとります。

因果論的な還元や非因果論的な了解を含め、複雑な現象を複雑なものとして統合的に理解していく枠組みがないと、被支援者は、支援者が得意とする専門分野ごとに異なる観察結果に基づくアセスメントに翻弄され続け、これまで以上に混乱していくばかりになります。