
内的現実主体(内我)は、経験的であり、非連続的で、多様性に富み、直覚的な働きを有します。しかし、その性質ゆえに、自己と世界を統合し、両者の関係を社会的に秩序づける機能には限界があります。これに対して、外的現実主体(外我)は、ホロニカル主体(理)を内在化することによって、自己や世界に安定性と同一性を与える役割を担います。
特に、自己意識の発達における第4段階――すなわち「他律的外的現実主体」の段階に達すると、外我は所属する社会において妥当とされる既知の理をホロニカル主体(理)として取り込み、内我を統制しようとします。社会的に認められた理を基盤とする外我は、内我に代わって連続性や同一性を有する自己を形成し、観察主体として機能するのです。こうして外我による統覚的認識は、生成と消滅を繰り返す多様な自己や世界の姿を、観察主体(我)と観察対象(世界)との統一的理解へと導きます。
しかしながら、現代社会は価値の多元化と多様化が加速する変動社会です。この状況において外我が既知のホロニカル主体(理)を内在化しようとすると、すでに統合性を欠いた複数の理を取り込まざるを得ません。その結果、内我を統制しつつ自我同一性を保つことが著しく困難となっています。
だからこそ、今日求められるのは、外我が一方的に内我を統制することではなく、内我と外我の相互的な対話です。両者が一致する方向に向かいながら、より生きやすいホロニカル主体(理)を自ら発見・創造していくことが重要なのです。この内我と外我の対話を促し、自己意識の発達を第4段階から第5段階への移行をサポートする取り組みが、現代社会の心理社会的支援においては不可欠になってきたといえます。