
ホロニカル心理学は、真理の見極めを、西田幾多郎のいう「絶対無の場所」との循環的自己照合によって捉えようとします。自己と世界は、いずれも究極の根源である「絶対無の場所」の自己限定(=自己否定)として、歴史的に創出され続けていると考えているからです。
「絶対無の場所」の自己限定によって現れた自己は、世界とせめぎ合いながら、より適切な自己へと自己組織化していきます。このとき自己は場所的自己として、一瞬・一瞬、自己自身の直接体験を通して、「絶対無の場所」との循環的な自己照合を図りつつ、適切な自己を自己組織化を促進しようとします。
この循環では、部分である自己が全体である世界を包摂し直すと同時に、世界も自己を包摂して開くという、縁起的な相互包摂関係(ホロニカル関係)の自己組織化が働きながら、見かけ上は対立する二契機が「絶対矛盾的自己同一」として同時に成り立ちます。
したがって、真理は「知的に正しいとされる命題」に還元されず、行為的直観—自己照合—言語化—再実践の往還のなかで、つねに更新され深化していくものであると考えられます。