臨床心理学は、内的世界ばかりに焦点化し、とかく外的世界を見落としがちです。臨床心理学が、自己の底に向かって真の自己を発見しようとする時、外的世界に閉じた自己の底をいくら掘り下げても魑魅魍魎(ちみもうりょう)しか見いだすことができません。
真の自己は、自己の底に、内的世界と外的世界が一致する場に瞬間に発見されるものです。主客合一的で自己超越的な場と一致する自己が真の自己といえるのです。
しかもあるがままの真の自己は、内的世界と外的世界に共に開かれ、刻々変化しています。外的世界無き内的世界だけをいくら探求しても、暗黒の底に吸い込まれていくだけです。
臨床心理学は、内的世界と共に積極的に外的世界を扱う姿勢が求められているのです。観察主体と観察対象の関係でいえば、内的対象関係と外的対象関係の両方を扱うとともに、両者の関係そのものを扱うことが大切になるとホロニカル心理学では考えます。