問題解決能力

心理社会的支援における問題解決能力は、被支援者や支援者にあるのではなく、被支援者と支援者が共に生きているそのものにあるのではないでしょうか。そうした創造力をもった場の力に気づくことができれば、ひょっとすると、問題解決能力は、そこら中にある可能性が出て来ます。

よく共感の大切さが心理社会的支援では強調されますが、共感はするものでもなければ、求めるものでもない。場の中から自ずと生まれるものと考えられます。

また、新しい思いつきや、アッハ体験や、腑に落ちる気づきなども、突然、湧き上がってくる感じです。それも、ただ単に自己の内側からというよりは、自己と世界の触れあいの蓄積の場から湧き上がってくるという実感が心理社会的支援の実践感覚です。

同じ場を共有する時に、共に自己の底に感じるところを、共に上手く活かせる時、本来の自然の命の働きが活性化し、より生きやすい道が自ずと発見・創造されると考えられるのです。

心理社会的支援は、あらかじめ定められた規定のアルゴリズムによって専門家が非専門家に対して治療をするような行為ではなく、被支援者と支援者が、共に生き辛さを共有しながら、お互いに場の中に浮かび上がってくるより生きやすい道を共創的に発見・創造する行為といえるのです。

被支援者と支援者が共に共同研究的に協働しあって、生きづらさに向き合う時、その関係性の場の中に変容の働きが突如作動しだす時が訪れてくるのです。どちらか一方が変容するのでなく、共に変容し、それが場の変容に影響し、場の変容が即座に自己言及的自己再帰的に各々の変容を創り出していくのです。

被支援者と支援者関係は、それぞれが自律的に振る舞いながらも場において不可分一体の関係にもあるといえるのです。場という全体と各々という個は、ホロニカル関係(縁起的包摂関係)にあるといえるのです。