ホロニカル心理用語集

ホロニカル心理用語集

ホロニカル心理学は、心的症状や心的問題などの生きづらさを抱える人たちへの心的支援としてホロニカル・アプローチを研究していく中で、これまでの心理学概念のパラダイムから新しいパラダイムへのシフトへの必要性から自然に形成されてきました。
ここでは、ホロニカル心理学やホロニカル・アプローチで用いられる主要概念について説明します。

ホロニカル心理学で用いられる重要概念

1.こころの仕組みを理解する時
に用いられる主な概念
※ホロニカル心理学の心的構造論にあたります。

2.こころのあらわれ方を理解する時
に用いられる主な概念
※ホロニカル心理学の心的現象論にあたります。

3.発達の理解のための概念
※ホロニカル心理学の発達論にあたります。

4.ホロニカル・アプローチで活用される主な概念
※ホロニカル心理学の実戦論にあたります。

5.基礎資料

自己

自己は、物心一如的存在、心身一如的存在です。そして、場所的存在です。

人間の自己は、身体的自己としては有限的存在ですが、意識的自己は無限的存在として、ミクロの世界からマクロ世界など、自己超越的世界を自己意識の中に取り込んでいくことができます。自己は、自己と世界の交錯する出会いの場に起滅的な生命として存在します。

自己は、世界があってはじめて存在できるのです。自己は、場所的存在(場所的自己)といえます。世界内に生きる場所的自己は、世界(場所)の抱える一切合切の矛盾を場所的自己に映し、場所的自己内に包摂し、一切合切の矛盾をそのまま内在化します。

創造世界から誕生した創造的自己は、世界を取り込みながら自己を自己組織化し、そして世界に対しもて歴史的社会的存在として働きかけます。

自己は、現実主体(我) ホロニカル主体(理) の基盤となって、世界との出会いによる一致・不一致直接体験を通じて、世界と一致する方向に自己自身を自発自展的に自己組織化しようとします。

心的症状や心的問題を有する時の自己は、適切な自己の自発自展的な自己組織化プロセスが疎外された状態となっています。頑固な心的症状や心的問題を有する時ほど、自己の心的構造は、多層多次元にわたって流動性を失っています。

ホロニカル心理学では、現実主体(我)の主体性は、まずは自己の主体性がを基盤として確立されてから、その上にはじめて成立すると考えています。自己の主体性の確立のないところでの現実主体(我)の主体性は、苦悩を生み出すばかりと考えています。

※詳しくは、心理相談室こころ室長 定森恭司著の「ホロニカル・セラピー:内的世界と外的世界を共に扱う総合的アプローチ」(遠見書房,2015)、または、定森恭司・定森露子共著の「ホロニカル・アプローチ:統合的アプローチによる心理・社会的支援」(遠見書房,2019)を参照ください。