意識と無意識の関係

自己意識を統合する働きは、意識的な意思ではなく、無意識的な働きによります。身体的自己の自己組織化も同じ無意識的な働きによります。こうした無意識的働きは、一般的には命の働きといわれます。しかし生命をいくら物質科学の法則によって説明しようとしても生命力という創造的統合作用まで説明できません。科学では、より精密に一般的な知識でもって神秘的な出来事を説明できるようになるだけです。生命力そのものは、最終的には直観的に了解するしかありません。ここに科学とは別のパラダイムをもった心理学が誕生します。

自己意識の統合作用を意識的な意志と錯覚すると、心身一如が心(精神)と身体(物質)に分断され、心が意志でもって身体を制御しているという一種の自我肥大による錯覚をもたらします。実体は、むしろその逆で、自己を統一する無意識な統合化作用の中心点として我(現実主体)の意識が形成されているといえます。