心的インフレーションについて

AIで作成

心的インフレーションを引き起こす人々は、自身が矛盾や対立を統合する力を持っていると錯覚しています。しかし、すべての矛盾や対立を統合する働きを持つのは、“こころ”の中の「IT(イット)」の作用であり、我(現実主体)ではありません。

「IT」の働きは自己超越的であり、自己内に包摂されつつも自己を超越して自己を包摂する性質を持ちます。つまり、我が自己超越的な働きを持つのではなく、自己の中に働きかつ自己を外から動かすものとして存在するのです。

心的インフレーションを起こす人々は、「我」が「IT」と同一化してしまっています。もし彼らが群衆から英雄として崇拝されると、絶対主義が成立します。しかし、こうした人物は対立物の統合を主張する際、殲滅すべき悪を創り出し、自らを善と主張し、群衆も自らの判断をやめ、集団に没我的になると、集団虐殺すら引き起こしてしまいます。

自己意識の発達において、一見、第5段階レベルにあるように見えますが、第4段階レベルの既知のホロニカル主体(理)同士の矛盾・対立を統合する創発されたホロニカル主体(理)は、完全無欠の全一の善と見なされます。全一の善である限り、悪を殲滅すべき立場に自分たちはあるという万能性・誇大性を帯びたマイナスのホロニカル主体(理)に囚われています。適切な自己や世界の自己組織化を促進する新しいホロニカル主体(理)の創発が第5段階レベルとするならば、善悪の絶対矛盾的自己同一の論理を持たない絶対主義的ホロニカル主体(理)は、マイナスのホロニカル主体(理)を持ったままの第5段階といえるでしょう。

さらに深刻なのは、創発されたマイナスのホロニカル主体(理)を、第6段階の「IT」と同一化してしまっていることです。全能のホロニカル主体(理)である限り、最高善であり、それ以外の悪を殲滅することができる立場にあると錯覚することになるのです。

本来、自己意識の発達段階が第6段階では、多様性や統合性を目指しての相互包摂関係の促進はあり得ても、マイナスのホロニカル主体(理)のような善と悪の敵対関係はありません。むしろ善即悪・悪即善の絶対的矛盾が同一にあることへの覚醒が前提になるのです。すべてが絶対矛盾的自己同一にあるが故に、無差別・平等のホロニカル関係が成立するのです。この段階では、もはや自・他や自己と世界の区別も、善と悪の区別すらないといえるのです。