本当の自分

「本当の自分」「本音の自分」「素の自分」とよくいいますが、それって、本当にあるのでしょうか。 果たして人は、「これが本当の自分、本音の自分、素の自分」を理解することができるのでしょうか。

そもそも自分で自分自身を対象化して、自分について何かを語るとき、「これが」という自分は、自己の全体ではなく、実際には自己のほんの一部しか語ることができないのではないでしょうか。

ホロニカル心理学では、「本当の自分」「本音の自分」「素の自分」とは、そのときそう思った自分」であっても、それだけでもって「本当」「本音」「素」とは簡単にはいえないと考えています。そうした自分は何らかの理由で全体的自己に統合することができなかったために抑圧否認、切り離し、隔離されてきた自己であって、決して、「本当」でもなければ、「本音」でもなければ、「素」でもないと考えています。むしろ大切なことは、抑圧、否認、切り離し、隔離していた自己の一部を自己の全体にいかに統合していくかが、真の自己に向かうための重要なテーマだと考えています。

なお、真の自己とは、多の自己が全一となり、全一の自己が多の自己へとなり、自己が一即多・多即一となって、絶え間なく自己を自己組織化し、その極限に自己=世界となることを実感・自覚する自己になっていくと考えています。