ホロニカル心理用語集

ホロニカル心理用語集

ホロニカル心理学は、心的症状や心的問題などの生きづらさを抱える人たちへの心的支援としてホロニカル・アプローチを研究していく中で、これまでの心理学概念のパラダイムから新しいパラダイムへのシフトへの必要性から自然に形成されてきました。
ここでは、ホロニカル心理学やホロニカル・アプローチで用いられる主要概念について説明します。

ホロニカル心理学で用いられる重要概念

1.こころの仕組みを理解する時
に用いられる主な概念
※ホロニカル心理学の心的構造論にあたります。

2.こころのあらわれ方を理解する時
に用いられる主な概念
※ホロニカル心理学の心的現象論にあたります。

3.発達の理解のための概念
※ホロニカル心理学の発達論にあたります。

4.ホロニカル・アプローチで活用される主な概念
※ホロニカル心理学の実戦論にあたります。

5.基礎資料

自己組織化

エリッヒ・ヤンツは、ミクロの世界からマクロの世界に至るまで、自己組織化のパラダイムを使って、宇宙の姿を明らかにしています。同じようにスチュアート・カウフマンも、複雑なシステムの理解においては、単純な部分や要素に分解していく要素還元主義的理解や自然淘汰理論による理解では限界のあることを指摘し、宇宙を貫く複雑系の法則としての自己組織化の論理の有効性を提起しています。

自己組織化とは、生命現象や社会の成立プロセスが、混沌状態から複雑な構造が自律的に形成されていくことです。

ホロニカル心理学では、自己も、自己と世界の出会いの中で、混沌としていた自己自身が世界との一致を求めて複雑な構造になりながら自律的に自己組織化していくと考えています。

複雑なものへという表現では、なにか自己が上昇向上していくというイメージを持ってしまいますが、自己の自己組織化のプロセスは、自己と世界の一致を求めて、自己が、もともとの全一性の原点に向かっていくような円環的なものといえます。

この時、自己組織化の原理が、ホロニカル主体(理) です。

臨床心理学には自己実現という概念があります。自己実現は、人格の完成や円熟性を意味します。これに対して、ホロニカル心理学における自己組織化は、内面的な人格の円熟だけではなく、自己と世界の関係を、より深く体験したり認識していくという意味を含みます。

※詳しくは、心理相談室こころ室長 定森恭司著の「ホロニカル・セラピー:内的世界と外的世界を共に扱う総合的アプローチ」(遠見書房,2015)、または、定森恭司・定森露子共著の「ホロニカル・アプローチ:統合的アプローチによる心理・社会的支援」(遠見書房,2019)を参照ください。

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